だから、新書を読みなさい~情報を逆張りでインプットをする技術~/奥野宜之

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今回紹介する本は奥野宜之さんの「だから、新書を読みなさい」

ぼくの自宅にある本やよく読む本は単行本が多い。なぜ新書を読まないかというと「何となく難しそう」というイメージがあるからだ。

ベストセラーは、新聞やメディアで注目を集め多くの人の関心が高まっている。そして多くのビジネスマンが読んでいる。聞いてみると同じような本ばかり読んでいることはよくあることだ。

他者と差別化を図るためには、他のビジネスパーソンが読んでいない本に触れることが必要不可欠だ。

ベストセラーやみんながすすめる本だけを読むのはあまりに危険でありそれは自分自身で選んでいるようで、実は選らばされているだけ。

まるで、マジシャンに知らず知らずの内に誘導されて、カードを選らばされていることと一緒。

「読まなくてはいけない」➡「読みたい」に変えていくことが大切なこと。

Q.パッシブでないアクティブ(能動的)なインプットをするにはどうすればいいのか?

その問いは「新書」を読むことだと奥野さんは言う。

本書は、「新書ザッピング術」の技法と、「逆張りインプット術」の考え方について書かれている。

実践的な内容が多く、初心者にも分かりやすい親書の選び方や買い方などの記載もあるため理解しやすい。

頭を使わざるを得なくなる「新書ザッピング術」

ザッピングと言えば、テレビをイメージする人が多いでしょう。

簡単に言えば、そのザッピング術を「本」で応用しようという考え方だ。

新書ザッピング術とは、同じテーマの本を三冊同時に読んで、一冊の「単発の読書」では得られない「三人の思考回路」を得る方法。

著者の肩書や考え方、経験はそれぞれ異なるもので、3人の著者の人生を同時に知ることで、ひとつのテーマを様々な方向から理解することができる。

ある本の内容を鵜吞みにするのではなく、三冊を比較対照して、自分の頭で考える

大事なのは、「同時に三冊並行して読む」こと。

1ヶ月掛けて三冊読むという悠長な読み方ではなく、1日で、かかっても数日で読むこと。

専門紙の記者である著者が、最小限の労力で、最大限のインプットをするために限られた時間の中で確実に自分なりの意見に到達するために編み出した技法だそう。

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「新書ザッピング術」のルール

・三冊まとめて同時に買う

・ロングセラー/最近の本/一番やさしい本(内容が薄い、軽いと感じるもの)から3冊。

・カブリを避ける(著者のカブリ、レーベルのカブリ、著者の属性のカブリ)

・喫茶店に入って三冊を2,3時間でさばく。時間をかけすぎると、本の印象は薄まっていくのであまり時間をかけない。

ひとつのテーマについて、色んな立場や経験からの視点、論考を得られることが「新書ザッピング術」の大きなメリット。

異なる見解や異なる視点といった情報を取り入れるために、カブリは絶対に避けなくてはならない。

この他にも全部で14個のルールがある。

奥野宜之氏が新書を推す理由

本書では全部で15紹介している。その中からぼくが印象に残ったのが下の5つ。

  1. 新書に絞れば「労力は三十分の一で済む」
  2. 低コストだから「たくさん買える」
  3. ロングセラーが多いので、「新旧比較」できる
  4. 読みやすいので「入門に最適!」
  5. 逆張りインプットできる

1.労力を最小限に抑えて自分の興味のある本を見つける

2006年度での書籍の新刊点数は八万点を超えている。

仮にこれら全てをチェックするとなると、ひと月で約6666冊調べる必要がある。

しかし、新書では約1500点。ひと月あたりに換算すると125冊ほどで済むことになる。

新書に絞ることで自分の興味のあるテーマをより簡単に探し出すことができるということだ。

書店に行っても、どの本が自分の読みたいテーマについて書かれているのか分からないことは多い。

本を探すだけで多くの時間を費やしてしまっている人も多いと感じる。

新書に絞ればその時間が少なくて済む。忙しいビジネスマンにとっては、嬉しい情報だ。

2.低コスト

単行本と比較すると新書は安い。1万円あれば12冊買える。

1500円の単行本では6冊しか買えない。

小遣いが節約できるだけではなく、同じ金額でより多くの本を読めるメリットはとても大きい。

3.ロングセラーが読める

最近の本しか読めないのは、読書をするうえでは大幅なマイナスになる。こう奥野さんは言う。

新書をつくっている出版社は、はじめからロングセラーを目指しているため、新書にはロングセラーが多い。

一方、単行本では書店に行っても半年前の本が手に入らないことがざらである。

ロングセラーを読むメリットとは、普遍的なことや本質的な内容を知ることができる。

長い間多くの人に愛読されているため、優れている内容が多いという点だとぼくは思う。

そもそも、本が他のメディより優れているのは、過去に強いからだ。本は人間の一生を超える膨大な時間を飛び越えてこちらに届く。何百年も前に死んだ外国人の考えに、自宅に転がったままアクセスできるのだ。

最新の情報だけでなく、過去の事例と比較することによって比較軸が増え、新しい考え方ができるようになる。

4.新書は読みやすい!?

この内容を読んだ時ホントにそうなのか?と疑問を感じたが、奥野さんによると、昔の新書は難しいものが多かったが、最近のものは読みやすい。

すーっと頭に入りやすいように平易な文章で書かれているそうだ。

入門書を読むことは「引き出し」をつくること。

話の話題や知識の多い人のことを「引き出しの多い人だ」などと言うがその引き出しを入門書がつくってくれるということ。

5.逆張りインプットできる

なぜ世の中にこれほど多くのビジネス本が売られているのに「うまくいかない」「解決しない」という悩みを抱えている人が後を絶たないのか?

それは自分の頭で考えていないからだろう。

ビジネス書は、著者も読者も、極端にいえば同じ世界観に従って生きている。

簡単にいえば、スーツの人が書いてスーツの人が読んでいるわけだと奥野さんは言う。

世間には割烹着のひとも白衣の人もパンツ一丁のひともいるというのに。

広告に影響されて、話題書やベストセラーばかり買って読んでいると、自動的に多様性に乏しい「順張り」になっていまうわけだ。

しかし、誤解しないでほしいのは、奥野さんはビジネス書を否定しているわけではないということ。

ビジネス書は大好きだし、そこから得たものは計り知れないものがある。

読書は基本的には他人の考えをなぞるという意味で受動的なものだ。

だから放っておくとインプットが「順張り」になりどんどん標準化してくる。当然そこから生み出されるアウトプットもカドがとれてくる、こう指摘しているだけ。

平均的な人間として生きるのか。変人として生きるか。

これはどういう生き方をしたいかということであって、どちらが「いい」「悪い」ということではない。

「人から変人と言われても我が道を生きたい」とあなたが思うなら、3ヶ月間、新書を読み、本書で紹介している「ザッピング術」を身につけることで他者とは違うインプット・アウトプットをすることができるようになると感じる。

まとめ

この本を読んで新書に対する「難しそう」というイメージが変わった。

選び方から買い方までを丁寧に説明してくれる本書は「新書」初心者にとっての入門書だと感じた。

本を三冊並行して読む。

「比較読解は良い」ということは前にどっかで聞いたことがあったがこの本を読んで、よりその重要性を感じた。

比較して読むことで、テーマに対する理解度を深められるし、様々な視点からの情報をを得られる。

この「ザッピング術」はこれまでのぼくの読書に対する考えを大きく変えてくれるものになった。