「生きづらさ」を感じている人へ(隠れアスペルガーという才能/吉濱ツトム)

隠れアスペルガーという才能 (ベスト新書)を読んで。

著者は吉濱ツトムさん

“生きづらさ”

その原因はグレーゾーンアスペルガーかもしれません。

アスペルガー症候群についてあなたはどんなイメージをもっていますか?

・まともに社会生活を送れないかわいそうな人

・突拍子もない行動をする

・こだわりが強いヘンな人

このような印象が強いかもしれません。

この本の著者である吉濱さんの仕事は、アスペルガーをはじめとした発達障害の方やそのご家族に個人指導を行い、症状を改善に導くことです。

吉濱氏はこれまで600人以上の発達障害の方を指導してきたそう。

その8割をアスペルガーが占めていて、そのほとんどがごく普通に生活を営む常識ある方々で、普通にコミュニケーションをとることができます。超高学歴のエリートサラリーマン、大企業の経営者・・・こういった「普通」より秀でた才能豊かな人も大勢います。こう吉濱氏は言います。

では、なぜこのような人達が、吉濱氏のもとを訪れるのでしょうか?

それはとても大きな「生きづらさ」を抱えているから。

高い能力を持っているのに、なぜか人生につまづいてしまう、周りの人とうまくいかない、人前に出るとドキドキが止まらず言葉が出なくなる。

何をやっても自信がもてず、自分の無能を責めてしまう。このように「生きづらさ」を感じている人たちが、「なんとかしたい」という切実な想いを抱えて訪ねるそうです。

内容

本書はそんな“生きづらさ”を抱える「隠れアスペルガー」のために、欠点を抑え、良いところ(長所)を伸ばす方法について書かれています。

目次
序章 なぜか「生きづらい人へ」
1章 「隠れアスペ」はなぜ気づかれないのか?
2章 君がまだ知らない「アスペルガーという才能」
3章 君の生きづらさは、「隠れアスペ」のせいだった!
4章 君の「隠れアスペ」は、必ず克服できる!

アスペルガーは親の育て方や愛情とは無関係

アスペルガーを含む発達障害の多くは、「先天的な脳の器質障害」であるため、親の子育てや愛情不足が原因といったことは断じてありません、こう吉濱氏は言います。

この器質障害の原因は95%が遺伝だと言われているそうです。つまり、子どもがアスペルガーなら親もアスペルガーである確率が高いということ。子どものケアを行うときは、親御さんにも一緒に取り組んでもらう必要があるのだそう。

発達障害の僕が 輝ける場所を みつけられた理由という本の中でも発達障害が遺伝するとことが書かれていたのを思い出しました。

この著者である栗原類くんが発達障害と診断された時に、母親も医師から「あなたもそうですね」と指摘されたことが本書に書かれています。

合わせて読みたい
親の考え方、子どもに対する接し方は成長に大きな影響を与える
(発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由・/栗原類)

子どもが発達障害と気づいた時に、

自分の愛情が足りなかったのか、育て方を間違えたのか、と親が自分自身を責めてしまいますが、その認識は間違っている!とハッキリと伝えてもらえることで心が軽くなる気がします。こういった正しい知識がもっと広く浸透していけばいいのになと感じます。

日本全体で約300万人

アスペルガー症候群は、90人~100人に1人の割合。グレーゾーンアスペルガーに位置する人は日本人の40人~50人に1人くらいとされています。つまり日本人全体で約300万人もの人がアスペルガーの症状に苦しんでいる計算になります。

これは、国としても見過ごせない大問題ではないでしょうか?こう吉濱氏は言います。

日本人にはアスペルガーが多い

40~50人に1人は隠れアスペルガーというのは世界的にみても高い数字だそう。真性アスペルガーに限っても先進諸国が1%のところ、日本では2~2.5%。

アスペルガーに最も特徴的なのは、セロトニンを産出するシステムがほとんど破綻しているということ。

セロトニンとは、精神のバランスを整える作用がある物質で、不足すると、キレやすくなったり、情緒不安定になったり、抑うつ状態に陥いりやすくなったりするそうです。実際、うつ病の人はセロトニンシステムが異常をきたしていることが多いことがわかっている。こう吉濱氏は言います。

アスペルガーは「生まれ持った十字架」ではない

アスペルガーの長所は、仕事に生かせる能力のこともあれば、人間的な魅力のこともあります。この長所を伸ばせば、隠れアスペルガーは社会の財産になり得るのです。

アスペルガーに素晴らしい才能があることも、才能あふれる隠れアスペルガーという存在も、まったく認知されていません。このことが周知されれば、「アスペルガーは十字架ではない」ことがもっと多くの人にわかっていただけるはずです。そう吉濱氏は言います。

アスペルガーの魅力を本書ではたっぷりと紹介しています。

出展:著:吉濱ツトム 隠れアスペルガーという才能より。

こんな沢山の魅力をもつアスペルガー症候群さん、もっと多くの人に知って欲しいですね。

あなたの生きづらさの正体

劣等感が強すぎる理由

●糖質の摂りすぎでセロトニン不足になっている。

セロトニンを産出するシステムがほとんど破綻していることは先ほど触れましたが、糖代謝異常を起こしやすく、血糖値が乱高下しやすいという体質をもっているそう。

血糖値が乱高下するとただでさえ機能の弱かったセロトニンシステムがついには破綻し、深刻なセロトニン不足に陥ります。これにより、さらに大きな劣等感に苦しめられるそうです。

特に小麦粉の多量摂取は、非常に悪い影響を及ぼす。

まさか、パンを食べることが劣等感につながっているとは思いませんよね。

カウンセリングを受けたり自己啓発本を読んだり、と的外れな行動をしてしまいます。しかし、どれほど「心のケア」をしても、パンを食べるのを止めなければ、アスペルガー人の劣等感が軽くなることはないわけです。

根本的な原因を解決することが一番重要だということです。

専門家の話を聞いたり、本を読んだりして正しい知識を持つことが大事なことだと感じます。

当たり前のことが当たり前にできず、生きづらさに悩むアスペルガー当人は「もっと普通になりたい」と願うかもしれません。しかし、普通ではない結果を出すことができるのは、普通ではない人だけなのです。アスペルガーという特徴をもつ皆さんは、普通ではないかもしれません。しかし、脳の器質障害という不足をもつ代わりに、偉業の種をもって生まれたのです。この種をどうぞ育み、大倫の花を咲かせてください。

吉濱氏がこの本を通して訴えたいことは、隠れアスペルガーは、治すべきマイナスではなく、生かすべきプラスだということ。

アスペルガーも、隠れアスペルガーも才能あふれる素晴らしい人材です。ただ、そのマイナス面ばかりが目立ってしまうため、周囲の理解がおいついていないだけ。

「生きづらさ」を感じて嫌になる。なんで自分は他の人のように上手くできないのか、と自分の境遇を恨むこともあるでしょう。

しかし、アスペルガーの人にしかない長所や魅力はたくさんある。

長所を知ること、自分に合う環境を見つけること、自分自身(アスペルガー症候群)について知ることが大切だと感じます。


🔴まとめ

隠れアスペルガーという才能 (ベスト新書)について紹介しました。

もっと多くの人にアスペルガー症候群について知って欲しい。これが本書を読んでぼくが一番に感じたことです。多くの人がアスペルガー症候群につて正しい知識を持てば、活躍しやすい環境づくりができると思う。

この本の著者である吉濱さん自身は子どもの頃「重度のアスペルガー」であったと本書の中で書かれていました。

実体験に基づくことも書かれていて、読みやすく、理解しやすいものでした。

実際の経験なのか、統計に基づく考察なのかで信憑性や感じ方は全く異なります。

何でもないことにつまづいてしまう、劣等感が強い、自分のことが許せない。「なんとなく生きにくい」あなたがそう感じているなら、本書を読んでみてほしい。

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