第57回メフィスト賞受賞作!黒澤いづみさんの『人間に向いてない』が面白すぎる

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黒澤いづみさんの人間に向いてないを読んだので紹介します。

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どんな本か?

●黒澤いづみ

福岡県出身。本作品がデビュー作の作家さんです。第57回メフィスト賞を受賞。

Q.メフィスト賞とは何か?

メフィスト賞とは、株式会社講談社が発行する文芸雑誌『メフィスト』から生まれた公募文学新人賞だそうです。

未発表の小説を対象とした新人賞で、特徴は3つあるそうです。

  1. 対象となるジャンルが「エンタテイメント作品(ミステリー、ファンタジー、SF、伝奇など)という大まかな区分であること
  2. 明確な応募期間が設けられていない
  3. 『メフィスト』の編集者が下読みを介さず直接作品を読んだ上で選考を行う

既存の文学賞とは異なり、持ち込みを制度化したような賞といえる。

過去の受賞作の中で、ぼくが知っているのは、

森博嗣さんのすべてがFになる

漫画化、テレビドラマ化されているので、知っている方は多いかもしれしれませんね。

辻村深月さんの冷たい校舎の時は止まる(上下)

こちらも漫画化されています。

辻村深月さんといえば記憶に新しいのが、本屋大賞を受賞したかがみの孤城ですね。

辻村さんもメフィスト賞の受賞経験があるというのは驚きました。メフィスト賞というものがあることを初めて知りました。

あらすじ

あなたの子どもが虫になったら。それでも子どもを愛せますか?

ある日突然発症し、人間を異形の姿へと変貌してしまうという恐ろしい病「異形性変異症候群」。別名ミュータント・シンドローム。

初めて報告されたのは関東地方の某所だったが、それは瞬く間に全国に広がり、四十七都道府県のどこからも報告されるようになった。

この病は難病と認定された。しかし治療法がかんたんに見つかるはずもない。しかし、多くの社会人にとって無縁のものだった。

この奇病が猛威を振るうのは、若者のなかでも引きこもりやニートと呼ばれる層だったからだ。

しかし、様々な社会問題が引き起こされるようになり、困り果てた政府は「異形性変異症候群」を致死性の病とするという政策を立てることに。

これをわずらった患者は死に至る。しかし、それは物理的な死ではなく人間としての死である。

異形となった患者の身体は人間とは異なる生物へと姿を変える。食べ物の嗜好が変わり、怪我や病気で病院の世話になることもできない。

話はおろか意思の疎通すら困難。人間的なコミュニケーションの一切が取れなくなった患者はペット同様。

しかし、可愛いげのあるペットならまだいい。見た目は気味が悪く、可愛いらしさのかけらもない。

そして新しくこの奇病と認定され、異形として変わり果てた息子をもつ一人の母親とその家族がいる。

異形性変異症候群を患ってしまった患者は最終的にどうなってしまうのかー

家族愛にあふれたストーリーに涙。衝撃のラストに驚くこと間違いなし

好きなシーン

たとえ見た目のおぞましい生き物になろうが、我が子は我が子だ。

美晴にとっては腹を痛めて産んだ子どもであり、分身のようなものなのだ。たとえ出来が悪くたって息子が可愛いことに変わりはないのである。勲夫にはそれが分からないのだろう。

母親と父親の愛情には違いがある。自分の身体を痛めて産んだ我が子。子どもを自分の分身だと考える人が多いのもうなずける。

母親と父親の愛情の深さが異なるのは当然のことなのかもしれない。

ぼくたち男性は、どんなに子どもを愛していても、妻の愛情には敵わないのだろうと感じた。母親の深い愛情を感じるシーンです。

感想

タイトルといい設定といい「この本は面白い!」という予感しかしなかったのでワクワクしながら読みました。

描写がところどころリアルに描かれているので、虫嫌いの人にはあまりおすすめできない作品ですが、タイトルからは想像できない涙あり、感動ありの親子愛がたくさん詰まった物語です。

ラストは思いもよらない展開で、驚きを隠しきれませんでした。

「異形性変異症候群」。

この病を患う原因については説明されていませんでしたが、ぼくは「孤独」が原因なんじゃないかと思いました。

引きこもりやニートの患者が多い「異形性変異症候群」。

ニートや引きこもりは社会とのつながりが希薄で、身近な存在である家族からも必要とされていない、自分の気持ちを理解してくれる人がいない、といったケースが多くいと感じます。

孤独・ひとりぼっちという感情が引き金となって、『異形』という気味の悪い姿へと変えてしまったのではないでしょうか。(←あくまでもぼくの考えですが・・・)


🔴まとめ

これがデビュー作とは思えないほど完成度が高く、面白かったです。

家族愛たっぷりの作品。衝撃のラストは必見です!

黒澤いづみ/人間に向いてない